J&Jベビーパウダー訴訟、記録的な賠償支払い命じる評決-約1470億円


J&Jベビーパウダー訴訟、記録的な賠償支払い命じる評決-約1470億円

J&J、直ちに控訴へ-評決は「極めて不当で、法の趣旨にも反する」

米カリフォルニア州の地裁で6日、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)に対し、タルク(滑石)を主成分とする同社のベビーパウダーを長年使い続けたことが原因でがんを発症したと訴えた女性の遺族に約9億6600万ドル(約1470億円)の支払いを命じる評決が下された。

J&Jのベビーパウダーを巡って15年前から続く一連の訴訟で、単独の原告に対する賠償額としては過去最大となった。

ロサンゼルスの州地裁陪審は、2021年に88歳で亡くなったメイ・ムーア氏が悪性中皮腫を発症していたことを巡り、J&Jに責任があると認定。損害賠償として1600万ドル、懲罰的賠償として9億5000万ドルを支払うよう求めた。

悪性中皮腫はアスベスト暴露に関連するがん。賠償金は遺族に支払われる。遺族側はJ&Jが製品が健康を損ねるリスクを隠していたと主張している。

J&Jのワールドバイスプレジデント(訴訟担当)、エリック・ハース氏は「評決は極めて不当で、法の趣旨にも反しており、直ちに控訴する。この判断と賠償額は、当社の主張が認められたタルク関連訴訟の大多数のケースと大きく食い違う」とのコメントを出した。

一方、原告側のジェシカ・ディーン弁護士は「この家族が裁判にこぎつけるまでに5年を要した。陪審団がJ&Jの責任を認めたことを歓迎する」と述べた。

J&Jはタルクを使用したベビーパウダーを巡る一連の陪審裁判に備えている。

同社はこれまで、ベビーパウダーに含まれるアスベストが利用者に健康被害を与えたとする訴訟の和解に30億ドル強を拠出したが、なお7万件余りの訴えを抱えている。

これら訴訟の多くは審理前の証拠開示を進めるため、ニュージャージー州の連邦裁判所で一本化されている。

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